午後のロードショー : 特集

2026年10月5日更新

【衝撃!!午後のロードショースタッフの映画愛が異常】
午後ローが大好きすぎて、会社まで作っちゃいました!?
171分の映画でも90分に収める"編集の魔術師"×年間
鑑賞本数1200本の"映画アスリート"なプロデューサー

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平日の昼下がり、テレビをつけたら突然サメが空を飛び、巨大なヘビが人を丸飲みしている――。

そんな"愛すべき非日常"を私たちの日常にぶち込んでくれるのが、テレビ東京の超人気伝説的映画番組「午後のロードショー」(通称:午後ロー)、平日午後1時40分から放送中!

1996年のスタート以来、ひたすら映画を放送し続けること祝・30周年。

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「普段映画を観ない人」から「筋金入りのシネフィル」まで幅広く"沼"に落としてきたこの番組は、2026年、ついに「映画を放送した地上波テレビ番組の最多エピソード数」としてギネス世界記録にも認定! 名実ともに"レジェンド番組"の仲間入りを果たしました。

そこで素朴な疑問です。



一体、どんな人たちがつくってるの?



今回、午後ロー制作陣に突撃インタビュー! 番組の裏側を聞こうとしたのですが、まったく予想外なことに……



どんな長尺映画も90分台に収める"編集の魔術師"!



年間1200本の映画を浴びるように観る"映画アスリート"!



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"中の人"のアツすぎる映画愛に触れれば、明日から午後ローを強烈に観てみたくなり、映画ライフが豊かになること間違いなし。さあ、映画の底なし沼へ、はりきってダイブしましょう!

【プロフィール】午後ローをつくる(良い意味で)クレイジーな映画好きたち

髙柴隆一さん
(映像編集担当(番組ディレクター)/有限会社ヘザー所属/株式会社かもめ 社長)

あらゆる映画を90分に編集し放送枠に収める"編集の魔術師"。午後ローを見守り続ける"ミスター午後ロー"であり、午後ローのために会社をつくったとの情報もあり。


丸岡大輔さん
(映像編集担当(番組ディレクター)/有限会社ヘザー所属/株式会社かもめ 副社長)

同じく編集を担う、もう1人の"編集の魔術師"。171分の超大作をも90分に編集する強者。生活リズムは食事・睡眠・午後のロードショー。


尾木和佳奈さん
(放送作品担当/テレビ東京プロデューサー)

どの作品を放送するかを決める司令塔。年間で推定1200本の映画を観ている(後述)。



■午後ローはまさかの少数精鋭だった! そして「午後ローが好きすぎて会社をつくった」ってウワサ、本当?

丸岡さんと髙柴さん
丸岡さんと髙柴さん

――本日は、午後ローの放送映画を編集している髙柴さん・丸岡さん、そして放送作品を決めている尾木さんにお話をうかがいます。よろしくお願いします!

髙柴さん:よろしくお願いします。午後のロードショーの編集は、尾木プロデューサーを筆頭に、私と丸岡含む数人で担当しています。


――これだけ長く・たくさん放送している番組なので、てっきり大人数のチームかと思っていました。まさかの少数精鋭なんですね!

髙柴さん:そうなんですよ(笑)。私はもう2002年からかれこれ四半世紀ずっと午後ローに関わらせていただいてます。

丸岡さん:私たちにとって午後ローは生活の一部。毎日の基本スケジュールは、食べる、寝る、午後ローをする、それから仕事やプライベートや……という感じ(笑)。

10月15日放送「ジュマンジ」
10月15日放送「ジュマンジ」

――衣食住午後ローだ。髙柴さん&丸岡さんには「午後ローが好きすぎて会社を作ってしまった」という、都市伝説的なエピソードがあると聞きましたが……。

丸岡さん:それは少し大げさに伝わっているかもしれません(笑)。自分が午後ローに関わり始めたきっかけは、産休に入るスタッフの代わりとしてなので期間限定の予定でした。でも始めてみたらとにかく楽しくて、これが本当にやりたかった仕事だ!と。

さらに髙柴や気の合う仲間たちとも出会えたので、このチームで長く続けるにはどうしたらいいかと考えて、つくったのが「かもめ」なんです。気がつけば、設立してから12年目を迎えました。


髙柴さん:なので午後ローのために会社をつくった、とまでいうとちょっとだけ語弊が。誰がそんな情報を流したんですか?(笑) (※編集部注:テレビ東京の宣伝スタッフさんです)

しかし会社の仕事の半分近くは午後ローですし、オフィスもテレ東さんの近くなので、午後ローとともに歩んできた会社で間違いないですね。

10月7日放送「バイオハザード」
10月7日放送「バイオハザード」

■どんな映画も90分に――午後ローは"編集の魔術"にご注目!

10月9日放送「宇宙戦争」
10月9日放送「宇宙戦争」

――髙柴さんと丸岡さんの仕事=編集について、簡単にどんな内容か教えてください!

髙柴さん:90分の枠である午後のロードショーで放送するために、1本の映画を編集して90分に収める、と理解していただければよいかと思います。


――なるほど、長尺の映画を90分台に収めるとなると、相当大変な作業ですよね。

丸岡さん:そうですね。CMのタイミングを測りながら、避けなきゃいけない表現や残虐シーン、ベッドシーン、チカチカ点滅する映像なども調整しつつ、おおよそ90分に収めます。何事もなくサラッといく作品もあれば、めちゃくちゃ時間がかかる作品もあって、なかなか難しいんですよ。

丸岡さんと髙柴さん
丸岡さんと髙柴さん

――今までで一番苦労した作品はなんでしょうか?

丸岡さん:元の尺が約171分ある「ハイジャック 人質はアメリカ!」を90分にした時でしょうか。オリジナルが前編・後編に分かれている作品で、本当に悩みました。

直近では169分の「ジョン・ウィック:コンセクエンス」(キアヌ・リーブス主演)ですね。また、尺が短くとも複雑な伏線回収モノだったり……1作品と向き合う時間は長いので、どれも忘れられない作品です。


――171分を90分に。素人からすると「そんなの絶対に無理」と思ってしまうんですが、できるものなんですね……。

髙柴さん:編集をやっていると、いきなりひらめく瞬間があるんですよ。「ここをカットしても成立するぞ!」というポイントを見つけると、一気にテンションが上がりますね(笑)。


――変な脳汁が出るんですね(笑) もはや職業病。

丸岡さん:職業病はありますね。映画「●●●●」(編集部伏字)を最近映画館で観ましたが、つい「午後ローでやるならここ編集でカットできそうだな」と考えてしまったり(笑)。

髙柴さん:昔は劇場がフィルム上映だったので、プライベートで映画館に行っても、映像についた"ゴミ"が気になってしまって、つい除去したい衝動にかられて集中できないこともありました。

10月13日放送「シノーラ」
10月13日放送「シノーラ」

――(笑) とはいえ、午後ローで放送するため乱暴にカットすればいいわけではないですよね。編集で大事にしていることとは?

丸岡さん:絶対的に、ストーリーを最優先することです。初めて観る方にもちゃんと内容が伝わるように、落としちゃいけないシーンを最優先で並べていく。放送尺に収まったとしても、話が分からなかったら元も子もないので。

髙柴さん:初めて観る方に伝わらなかったら、作品にも視聴者にも申し訳ない。ストーリーは必須条件。あとはテンポです。例えばゆったりした映画をサクサクカットすると作品固有の世界観や雰囲気が変わってしまうので、テンポを維持することも大切にしてます。また、完成した作品はそもそも神聖なもので、手を入れさせていただくことの葛藤は常にあります。そこは難しいところです。

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■SNSもざわめく、午後ローの"神編集"を観てみよう! 一度観た映画でも、午後ローで観れば"また別の面白さ"に出合える!

10月14日放送「ハプニング」
10月14日放送「ハプニング」

――午後ローはまさに編集が生命線なんですね。SNSでもたびたび編集について話題になっていますよね。

丸岡さん:ありがたいことに「神編集」「午後ローはわかってる」なんて言っていただけることもあって。そう言われると、やっぱりうれしいですね。


――神編集と大きな反響があった作品は?

丸岡さん:直近だと「007 スカイフォール」ですね。特に脚本がすばらしい作品で、143分あるんですが、当然ながらカットできるところがまったくない。「007」はファンも多く、人気シリーズならではの良さも残しつつ、ストーリーも繋げなきゃいけない。夜中の3時とかに尾木さんに「ここ悩んでまして……」とかメールしたり、尾木さんすみませんでした!

尾木さん:全然大丈夫です、起きてましたから。大夜ふかし(おおよふかし)なので(笑)

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丸岡さん:苦渋の決断ですが、楽しい作業でもありまして、SNSで話題にしていただきました!


★ ここでちょっとブレイク! ★

話題になった午後のロードショー神編集ランキング!


「007 スカイフォール」

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上述。


「ワイルド・スピード SKY MISSION」

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ラストのポール・ウォーカーの一連のシーンも放送。さらに特別編集のエンドロールを添え、ファンからの感謝の声を含む大きな反響を呼んだ。


「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」

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午後のロードショーではない正月深夜帯の枠からリストアップ。下ネタもなるべく残し、編集時にカット候補No1のエンドクレジットも主題歌「Get Wild」は1コーラスはちゃんと放送しようと残して放送→「テレ東わかってる」と話題に。



■年間鑑賞本数…1200本!? とんでもない人がプロデューサーやってた! ケタ違いの説得力が作り出す、午後ローでの"最高の映画との出合い"

髙柴さん、尾木さん、丸岡さん
髙柴さん、尾木さん、丸岡さん

――放送する作品を選ぶプロデューサー・尾木さんの話もお聞きします。午後ローらしい作品をあえて定義するなら?

尾木さん:昼間の放送なので、他のチャンネルからザッピングしている時にいきなり「巨大生物が人を食べる」シーンが映し出されると、つい手を止めてしまうじゃないですか。そういった手が止まるわかりやすさは「午後ローっぽさ」だと思います。昼から何やってんだと言われそうですが(笑)。


――どういった流れで、放送作品を選んでいるのでしょうか?

尾木さん:企業秘密のリストがあって、そのなかから実際に私が観てよかったものや、視聴者の皆さんに知ってほしい作品を選んでいます。「ザ・フライ」とかも放送したいんですが、やっぱり今のご時世、あのシーンは厳しいかもな~、とか思ってます。


――となると、古今東西の映画を大量に観る必要がありますよね。インプットの工夫など何かあったりしますか?

尾木さん:工夫は特になくて、基本的に「ずっと観る」ですね。スキマ時間はずっと映画を観てます。家や会社のデスク、食事中も移動中の電車でも、暇さえあれば。

10月8日放送「ダンテズ・ピーク」
10月8日放送「ダンテズ・ピーク」

――スキマ時間はずっと観てる? さらっとすごいこと言ってません……?

尾木さん:映画を観ることが大事な仕事ですからね、今はいつでもどこでも観られていいですよね~。あ、もちろん会議とか同僚と話すときは、さすがに観るのをやめてます。


――となると、1日に何本観るんですか?

尾木さん:1日に4~5本くらいでしょうか。土日も用事がなければ観ます。家でも家族と話す時以外はずっと何かしら観てます。映画館にもよく行ってます、新作もやがてリストに入ってくるのでチェックしときたいんです。


――ここへきてとんでもなくヤバい事実が出てきました。仮に1日5本として、土日を除いたとしても週に25本。月100本ですね。



えぇ……?


1年で1200本……!?



尾木さん:どうなんでしょう、そんなに観てるんですかね?

髙柴さん&丸岡さん:尾木さんならそれくらい観てると思いますよ。

10月5日放送「マーベラス」
10月5日放送「マーベラス」

――この世のすべての映画を食らい尽くそうとしてます?

尾木さん:ただ、午後ロー担当前はここまでじゃなくて、これだけ観るようになったのは最近なんですよ。3年前から午後ローを担当しています。


――3年間で3600本だ。

尾木さん:勤務中も映画を観られてひたすらありがたいです。

髙柴さん:もう映画アスリートですよね。

丸岡さん:映画アスリートです。


――映画アスリート……?

尾木さん:午後ローの歴代プロデューサーもだいたいこんな感じですよ。髙柴さんや丸岡さんは年間で何本観るんですか?

髙柴さん:私はどうだろう……何"回"ですかねえ。我々番組ディレクターは担当作品を何度も観て編集シートをつくるので、作品本数よりも担当作品×4~5回という数え方にすると結構な数になりそうです。だいぶ昔に、担当したOA本数を数えていた時期があったのですが、2000本を超えたあたりで追えなくなって数えるのをやめました。

10月21日放送「陰謀のセオリー」
10月21日放送「陰謀のセオリー」


■テレビで映画を放送し続ける"最後の砦" アルゴリズムには作れない「偶然の一本」と、吹き替え版を届け続ける意義

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――テレビで映画が放送される機会が減り、洋画離れ・映画離れが叫ばれて久しい昨今。それでも午後ローは、平日の昼に毎日、映画を放送し続けています。その意義とは?

尾木さん:今はサブスクでも、個人の趣味嗜好に合わせてアルゴリズムが提案してくれる時代です。そんな中で、たまたまつけたチャンネルに、すごくいい作品が流れていた――そういう"偶然の出会い"を提供できることこそが午後ローの存在意義だと思いますし、いい作品はちゃんと残していきたいんです。

10月23日放送「フランティック」
10月23日放送「フランティック」

――午後のロードショーが、日本のテレビ映画における最後の砦だ、という声もありますよね。

髙柴さん:あと、午後ローは「吹き替え版」を放送し続けていて。古い作品だと、レジェンド声優さんたちによる貴重なテレビ放送版の吹き替え音声をデータ化し、原版の綺麗なフルサイズ(16:9)の映像素材と合体させて、放送することもあります。結果的に、貴重な吹き替えデータがアーカイブとして残っていく側面もあるんです。

尾木さん:吹き替え音声との二カ国語放送で、原音の放送も行っています。日本の吹き替え文化にも少しは寄与できているんじゃないかなと。往年の名作の放送をふくめて、午後ローは"文化を残す"次元にきているので30年愛され続けている、とも思います。


■最後に:午後ローはSNSも楽しい! 観るだけじゃもったいない、感想コメント&放送リクエストをどしどし募集中!

10月28日放送「アサシン」
10月28日放送「アサシン」

――もっともっとお聞きしたいのですが、お時間もそろそろ終了です。視聴者に「こんなふうに楽しんでもらえたら」とメッセージはありますか?

尾木さん:放送を観ていただけるのはもちろん嬉しくて、もうひとつ、XやInstagramで反応をいただけるのもすごく嬉しいんです。たとえば放送6000回記念で「コマンドー」を放送したときも、盛り上がってくれたらいいなと思っていたんですが、実際にSNSで沸いているのを見ると、本当にうれしかったですね。

※編集部追記:ハチャメチャな投稿ミスもえげつなくバズってました。


尾木さん:公式SNSは私も運用担当で、コメントや反応は全部チェックしています。だから「これ放送して!」というリクエストは大歓迎です!知らない作品を教えてもらえて、とてもありがたいです。

髙柴さん:飲食店なんかでたまに若い人が「午後ローって知ってる?」と話しているのが聞こえて、嬉しかったり。テレビで映画を観る楽しさを共有してもらえたら最高ですね。



明日の午後1時40分、ぜひテレビのチャンネルを午後ローに合わせてみてください!



そこでは(良い意味で)クレイジーな映画好きたちがお届けする、珠玉の90分が待っています。運が良ければ、サメが空を飛び、ヘビが暴れ回る瞬間に立ち会えるかもしれません。

そして観終わったら、ぜひSNSでつぶやきましょう。きっとスタッフの皆さんはその投稿を糧に、また新たな映画探しの海へ飛び込んでいくはずです――。

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